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強弱記号に対する金管奏者の解釈


 金管楽器は大きな音になると、あるところから急に音色が変化します。この音色変化のことを一般に「 音が割れる」と表現していますが、表現通り「バリバリ」といった荒々しい音色になります。このように音量によって音色の変化が顕著な楽器を吹いているため、金管吹きは特に発想記号等の指示がないとき、楽譜の音量指示から作曲者の求める音色を推測しています。ですから楽譜を書くに当たっては、どの音量指示でどのような音色が出てくるのかをよく知っておかねばなりません。ここでもオーケストラと吹奏楽における解釈の違いがありますが、アーティキュレーションの違いほどではありません。基本的に吹奏楽のほうが強弱記号を半ランク分くらい大きく解釈します。

 前置きが長くなりましたが、さっそく本題に入りましょう。
 まず最も金管らしい輝かしく艶のある音は f によって得られます。注意すべきは mf でこの音色は得られないということです。 mf というのは金管奏者にとっては暖かく柔らかい音を指しますので、その分輝かしさが失われます。 mp は小さくて柔らかい音をイメージします。 p は他の楽器と同じように、そのまま小さくと解釈します。ちなみに pp はできるかぎり小さくと解釈し、音色や音程、その他の指示が頭の中から吹っ飛びやすいので注意が必要です。金管楽器は小さい音が苦手なので、 pp  程度の音量が限界です。これ以上小さい指示を出しても、音量は下がらないか音にならないかのどっちかです。ff は基本的に音が割れるちょっと手前くらいの音量と解釈し、 f よりも一段と輝かしくなります。ちなみに fff は、とにかく大きくと解釈されると同時に、割れた荒々しい音を作曲者は求めていると解釈されます。
 もちろんここまではオーケストラの奏者を基準にした音量解釈なので、吹奏楽であれば ff で少し音を割る程度が通常です。ここまでの議論はもちろん楽譜に発想記号等が全くない時の話です。曲想や発想記号から理想の音色が予測できる場合ではこの限りではありません。


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