和音の基礎知識2



 前項までの内容を踏まえて、次は和音の音量バランスについて考えてみます。和音はその音量バランスが崩れると非常に不安定に聞こえ、奏者も非常に音程を合わせづらくなります。逆にバランスさえ合っていれば多少音程が甘くてもそれなりに聞こえますし、奏者も合わせやすいのです。和音のバランスはある程度奏者も直しますが、やはり楽譜は正しい和音のバランスで書かれている必要があります。
 最も基本的な3和音を奏でるとき、一番大きく出るべきが根音です。第5音は次に大きく、第3音は少し小さめというのがセオリーです。またそれ以外の付加的な音は、第3音よりもさらに小さいほうが和音は安定して聞こえます。最高音と最低音は目立つため、音量は他の1.2倍くらい大きく聴こえていると考えて下さい。また楽器の元々の音量として、チューバは一番音が大きく、ベルが後ろを向いているホルンはほかの楽器に比べて音量は小さいと考えてください。

 和音を重ねるときは、音と音の間の距離も十分な注意が必要です。一般に低い音同士ほど広く、高い音同士ほど狭くします。低い音を近接させすぎると、音の印象は濁った感じになり、高い音同士が離れていると音が孤立して聞こえます。もちろんこれを利用して、メロディだけを高い音にして際立たせるといった応用的な使い方もあります。おおよその目安として、最低音に対して隣の音は5度以上離し、最高音に対しては4度以内に隣の音を配置すると安定して聴こえます。
 また一般的に和音の中音域が充実していると、和音は重厚な響きになります。和音が高音域に偏っていると、重厚さを失う代わりに明るく軽い響きになります。低音域に偏っている場合は音が重く感じられ、さらに音同士が接近し過ぎていると濁ってしまうので、特殊効果を狙うとき以外は避けるべきでしょう。


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