跳躍はオクターブが限度


 連続演奏の項でも少し触れましたが、もう少し詳しく金管楽器の跳躍能力について述べたいと思います。金管楽器は弦楽器や鍵盤楽器と違い、発音体が己の唇一つしかなく、それも音を変えるのに回りの筋肉で引っ張り上げるという非常に効率の悪いことをしています。このため音が跳躍してしまうとはずしやすくなり、唇の回りの筋肉に高い負荷がかかってしまいます。

 基本的には5度以内に収めておくのがスタミナや、安全性の面で考えると理想的です。しかしながら、金管奏者の間での優劣は音域と跳躍力で決まるため(本当は音の奇麗さなども考慮してほしいのですが)、音階練習のように軽視される事なくよく練習されていまので、速度にもよりますが、1オクターブくらいまでの跳躍は一応問題ないと考えておいて良いと思います。しかしながら、1オクターブ以内の跳躍でも素早い16分音符のフレーズは非常に困難ですし、幅の広い跳躍(5度以上)を何度も反復させられると、だんだんと唇が疲弊してポコポコとはずすようになります。一番問題なのが鍵盤楽器の得意な分散和音の伴奏(バッハが大好きですね)です。あのような反復運動をやらされると、金管吹きはものの数小節で撃沈します。
 まとめますと、一般的なメロディーを演奏させる程度であれば、オクターブ以上の跳躍にさえ気をつければそれほど気にすることはありませんが、速いフレーズや伴奏で反復運動をさせる場合などは十分な注意し、なるべく5度以内の跳躍のみにする必要です。


前へ       目次へ      次へ