長時間の連続演奏は無理


 金管楽器の数ある弱点の中で最大とも思えるのが、この連続演奏の可能な時間の短さです。これは金管楽器が唇の回りの日常生活では到底使わないような筋肉を極度に緊張させていないと音が出ないという根本的欠陥を抱えているからです。考えてみればトランペットなど、ファゴットよりはるかに分厚くて大きなリード(唇)を使ってあれだけのハイトーンを演奏しているわけですから、構造上明らかに無理があるわけです。

 金管奏者は長時間連続して演奏していると、唇の回りの筋肉が疲弊し、まずハイトーンが出なくなります。それでも無理な演奏を続けると通常の音域すらも出なくなってしまいます。要するに金管楽器は吹き続けるような状態にさせてはならないのです。

 では具体的に唇の回りの筋肉の疲弊を防ぎ、きちんと演奏させるにはどれくらいの休憩を入れれば良いのでしょうか。理想的には1フレーズごとに1小節くらいの小休憩、1〜2分くらいで10秒程度の大休憩が欲しいところです。しかし人数の少ないアンサンブルでは思うように休憩を挟むことができません。それゆえに金管アンサンブルの曲はどれも短く作られています。曲の具合にもよりますが、だいだい3分前後には収めたいところです。また、疲れるようなことをさせないのも奏者のスタミナを考える上で重要です。金管は基本的に高音ほど疲れやすいので、高い音域はあまり持続させて吹かせないよう注意しましょう。必然的に高音域を多く吹かねばならない1stトランペットは、多めに休みを入れるなど、特に配慮すべきです。高音域と並んで唇のスタミナを奪うのが音の跳躍です。次節で詳しく述べますが、金管の楽譜に音の跳躍はあまり入れるべきではありません。


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