長らくお待たせ致しました。ようやく本題の編曲作業を説明致します。 まず一番簡単な原曲のパート数とこれから編曲する編成のパート数が一致している場合について説明しましょう。と言ってもこんなものは説明するまでもありません。要するに楽譜を移調してそれぞれのパート名を書き替えるだけです。このときそれぞれのパートに音域外の音がないかよく確認しましょう。もし音域外の音がある場合は調を変えてすべての楽器が音域内に収まるようにします。これで編曲完了です。 編成等が特殊でどうしても1パートだけ音域が合わない場合について説明します。このような場合では思い切ってそのパートだけオクターブ変えてしまいましょう。当然のことですが、このときに伴奏が旋律を音域的に超えることのない様にしましょう。 原曲のパート数よりも編曲後のパート数の方が多い場合ですが、これも大筋は前述の場合と同じです。まずは適当な調へ移調して、それぞれの音を各パートに振り分けていきます。ただしこの場合はフレーズごとに各パートにメロディーを持たせたり、休ませたりして極端に暇なパートやずっと吹きっぱなしのパートができないよう注意して下さい。また、ここぞというフォルテの魅せ場では音を足して迫力を出すのも良いです。音の足し方については応用編の「和音の足し方、抜き方」を参照してください。編成が大きい場合は高音楽器と低音楽器でメロディの掛け合いなどをやらせるのも面白いです。 次に鍵盤楽器の譜面を編曲する場合についてお話しします。ピアノ譜等の鍵盤楽器の譜面は右手、左手のパート(オルガンはさらにペダルパート)に分けて書いてありますが、たった2つのパートに全ての音がまとめられているので、自分で各パートに振り分けなければなりません。基本的には音域から判断して音を振り分けていきます。このとき横の音のつながりにも気をつけて下さい。これを気をつけないと突然何の意味もない跳躍や、無理な旋律の受け渡しなどが発生してしまいます。また暇なパート、忙しいパートのできないよう注意する必要があります。まずはメロディをなぞって音域に合うパートに振り分けましょう。次にベースラインを最低音楽器に振り分けます。後は残った対旋律や、和音の音などを適当なパートへ振り分けていきます。ここでもう一度全体を通して見て、メロディを別のパートに渡してみたり、効果的な音の重ね方などをいろいろ試して推敲していきます。 編曲例:ソナタK.64、小人の行進 最後に原曲のパート数のほうが希望の編成のパート数より多い場合の編曲ついて説明します。前にも書きましたが、このような編曲は非常に難しいです。 まずは旋律やベースラインを演奏しているパートを探します。対旋律やその他必ず必要と思われる聴いていて目立つ音などをチェックします。次にそれらを各パートに振り分けていきましょう。この時に運悪くパートが足りなくなってしまったら、旋律とベース以外で一番省いて害の少なそうな音を削ります。つまり音源を聴いていて一番目立たなかった音を削ります。この作業が終われば、恐らく後は和音を作る音のみ書かれていない状態になっていると思います。これら和音を奏でている音をこれから書き足していくわけですが、必ず幾つかの音を省かねばならないはずです。和音の音の省き方は別項「和音の足し方、省き方」をご覧ください。和音まで振り分けられれば編曲は完了です。 この編曲作業で重要なのは絶対に旋律とベースラインは省かないことです。対旋律もできる限り残すべきでしょう。もしこれらを頻繁に省かねばならないならば、その編成での編曲はあきらめたほうが無難です。 |
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